本多秀成さん。
この戦国武将のように端正な名を持つ俳優は、僕の高校の二つ上の先輩です。
そして何を隠そう、彼は、僕に人生初の演劇の手ほどきをしてくれた師匠のひとりです。
なおかつ、僕がつとめた筑紫丘高校応援団々長―その先々代団長にあたる人でもあるのです。
このたび、その応援団々長・本多秀成さんが、新選組局長・近藤勇を演じるというので、いさんで舞台を観にゆきました。
劇団HYBRID再始動公演 「血は、俺のもの!」
ところで僕は、自身のブログで、よそ様の劇評を載せられるほどの据わった胆力や蛮勇を持ち合わせていません。
なのでそのあたりは割愛。
そして日本史狂、とくに幕末狂、なかでも新選組狂の僕が、この作品の時代考証について口を出すのは野暮に過ぎましょう。
なのでこのあたりも割愛。
だってハリウッドの伝説的プロデューサー、タルバーグにこんな逸話があるのです。
「タルバーグに向かってこう言ったやつがいた―
『パリは海際の街じゃないからパリに海岸のシーンは設定できない』
って。
そしたらタルバーグは言った。
『パリを知ってる一握りの人間相手に映画作ってるんじゃない』」
(Ron Hutchinson・作/酒井洋子・訳『Moonlight&magnolias―風と共に来たる―』より・・・笑)
思いのたけは、劇を見たあと気持ちが昂ぶりすぎ(もうそのすべての内容が頭に叩き込まれているはずの)平尾道雄「新撰組史録」を衝動買いしてしまったという事実から推し量っていただければ幸いです。
ともかく細かいことは置いといて―
何よりも17年ぶりに、本多さんの演技を間近で見られたことに感極まりました。
高校時代と変わらず溌剌と舞台を縦横無尽。
明るく優しい彼の人柄が、隊士を包み込む近藤勇の個性にちょうどよく映えていたと思います。
本多さん、素敵な舞台へお招きいただきどうもありがとうございました。
団長の局長、ほんとうに格好よかったです!
【浜野基彦】
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