音響師の小山田昭さんが僕にCDをプレゼントしてくださった。
「Fats Waller ~浮気はやめた」
実はこのうち3つが「ルームサービス」に幕間曲として使われていたのだ。
日本全国を廻りながら毎日耳にしたはずなのに、不思議と飽きを感じさせなかったあの名曲たち。
考えてみれば、原曲を聴くのはこれが初めてだった。
開幕、ゆるやかに流れ始めるのは「I'm Gonna Sit Right Down And Wright Myself A Letter」
冒頭のブラッシングドラムを
―レオがはるばるニューヨークへ向かう汽車の音のようだ
と府女史は泣いてくれたっけ。
僕が病人に仕立てあげられた直後、暗転と同時に流れる「Handful Of Keys」
この曲の流れる間に暗がりを楽屋へ駆けもどり、寝巻きに着替え、ダイソーで買い溜めたウォータープルーフマスカラではしかメイクを濃く塗り直したのだった。
ゴードン一座の悪だくみも、あとは詰めの一手を残すのみ―
見る者の気を持たせながら休憩へ滑り込む「Ain't Misbehavin'」
このあと僕の、真の“大活躍”がはじまるのだが……。
「ルームサービス」こそ、僕の長かった20代の最後の青春でした。
聴くうちに、楽しかった日々、そしてその瞬間々々が次々に思い起こされ、不覚にも涙がほろほろ。
共演者や旅の途中で出会った人たちの優しさが、今になって、ほんとうにほんとうに身にしみる。
いまさらだけど、皆さんありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう。
ホワイトウェイは遠くなりにけり―
かと思うと、僕を今だに「レオ」呼ばわりしてくれる悪友もいたりしてね。
ともあれこのCDを流しさえすれば、またあの愉快な連中に会える気がする。
CDをくださった小山田さん、本当にありがとうございました。
もう、僕のかけがえのない宝物です。
おっと、忘れるとこだった!
最後にひとこと―
「おたっ……、」
いやいや、こればかりはシナトラに任せなきゃならないんだったわ。
小声でそっと、godspeed!
Fool on the 筑紫丘~虹ヶ丘~桜ケ丘
平成21年8月9日日曜日
サウンドトラック「ルームサービス」
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