Fool on the 筑紫丘~虹ヶ丘~桜ケ丘

自分の写真
テアトル・エコーの俳優です。 どうぞよろしくお願いします。

平成21年8月9日日曜日

サウンドトラック「ルームサービス」



音響師の小山田昭さんが僕にCDをプレゼントしてくださった。

「Fats Waller ~浮気はやめた」

実はこのうち3つが「ルームサービス」に幕間曲として使われていたのだ。

日本全国を廻りながら毎日耳にしたはずなのに、不思議と飽きを感じさせなかったあの名曲たち。

考えてみれば、原曲を聴くのはこれが初めてだった。


開幕、ゆるやかに流れ始めるのは「I'm Gonna Sit Right Down And Wright Myself A Letter」

冒頭のブラッシングドラムを

―レオがはるばるニューヨークへ向かう汽車の音のようだ

と府女史は泣いてくれたっけ。


僕が病人に仕立てあげられた直後、暗転と同時に流れる「Handful Of Keys」

この曲の流れる間に暗がりを楽屋へ駆けもどり、寝巻きに着替え、ダイソーで買い溜めたウォータープルーフマスカラではしかメイクを濃く塗り直したのだった。


ゴードン一座の悪だくみも、あとは詰めの一手を残すのみ―

見る者の気を持たせながら休憩へ滑り込む「Ain't Misbehavin'」

このあと僕の、真の“大活躍”がはじまるのだが……。


「ルームサービス」こそ、僕の長かった20代の最後の青春でした。

聴くうちに、楽しかった日々、そしてその瞬間々々が次々に思い起こされ、不覚にも涙がほろほろ。

共演者や旅の途中で出会った人たちの優しさが、今になって、ほんとうにほんとうに身にしみる。

いまさらだけど、皆さんありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう。


ホワイトウェイは遠くなりにけり―


かと思うと、僕を今だに「レオ」呼ばわりしてくれる悪友もいたりしてね。


ともあれこのCDを流しさえすれば、またあの愉快な連中に会える気がする。

CDをくださった小山田さん、本当にありがとうございました。

もう、僕のかけがえのない宝物です。


おっと、忘れるとこだった!

最後にひとこと―

「おたっ……、」

いやいや、こればかりはシナトラに任せなきゃならないんだったわ。


小声でそっと、godspeed!

0 件のコメント: