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テアトル・エコーの俳優です。 どうぞよろしくお願いします。

平成22年4月20日火曜日

「白い病気」〜ナラクナララク・奈落なら楽

「白い病気」の物語が繰り広げられるエコー劇場の舞台。
実はその舞台の、板一枚下の暗がりには地下通路が設けられています。
俳優やスタッフはこの抜け道を駆使することで、本番中、神出鬼没の活躍を果たすわけです。

このような舞台下の空間を「奈落」と呼ぶのは皆さんご存じのとおりですね。
しかし「奈落」という言葉がもともと、仏教用語で「地獄」を指すことはご存じでしたか?

だとすると写真に浮かぶ二人の亡者・薬師寺種子と澤山佳小里が、この地獄でなんとも気楽そうなのは何故なのでしょう。

二人は、揃ってピアノ担当奏者です。
そして写真は彼女たちが奈落からオーケストラピットへ入る直前の様子です。
つまり、ここからオーケストラピットへのぼりピアノ椅子に着くや最後、そこはまさに針のむしろ!
以降それこそ地獄のような緊張感を味わい続けなければならないというわけです。
ですから薬師寺と澤山にとって、この「奈落」の暗がりにいる間は、それが「地獄」を意味しようが「極楽」には違いない−というわけでした。

さあ、今日も彼女たちは「蜘蛛の糸」のカンダタのごとく、五線譜の糸と糸との綱渡りを繰り返すのです。

ミスタッチ・ゼロで、目指せ!真の極楽!
こんなピアニスト二人に是非ともあたたかな慈悲の眼差しを、よろしくお願いいたします。


【浜野基彦】

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