ある幽霊研究家の本によると、
−渋谷川の岸辺には、みなもとである玉川上水から流れ流れてくだってきた幽霊や化け物が、しばしば姿を現す
そうです。
が、ここのところは、そんなおどろおどろしさを毛の先ほども感じさせないのどかな陽気です。
もう師走だというのに。
猫も、こたつで丸くなるどころか、"幽霊岸"に出て、優雅に顔を洗っている始末です。
「お化け見つけたらおしえてね。」
と、声をかけておきました。
ただ、いざ帰り道で
−出タヨ
などと、ほんとにおしえられたら、誰あろうお前こそが真の化け物なわけで、それはそれでおもいのほか怖いだろうから、おしえなくていいや、やっぱり。
【浜野基彦】
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