ひとりのビール

さて、これが以前はなしにのぼらせた、世界一うまい「かいどう」のジャジャー麺です

今夜もすすりに、凍える夜道をツッカケばきで行ってきました。


ところで、ひとりで酒をたしなむことなど日頃はほとんどない僕なのですが、今夜はむしょうにビールが恋しくなり、思い切って注文しました。

幾度となくかいどうには足を運びましたが、考えてみると、この店でビールを頼んだのは初めてです。

大好きなジャジャー麺を肴に、すすったビールはおいしかった。

またひとつ、日常に楽しみが増えました。


先ほど、日頃ひとりで酒はたしなまない、と書きました。

ですが、昨年「ルームサービス」の舞台で各地を巡った際には、よくひとりでビールを飲んだものでした。

知らない町の知らない食堂に飛び込んで、その町で買った郷土史の本を片手に楽しむ夕食とビールは、格別にうまいものです。


今夜ビールを飲んだ食堂かいどうは家から歩いて3分のところ、しかも行きつけです。

なのに気分よく酔ううちに、どこか遠くの知らない町の食堂へ来ているような気がしてきました。

旅をしている頃の感覚をビールが思い起こさせたのですね。


この春から、また旅公演が始まります。

ビールで一瞬取り戻した記憶のせいでしょうか、なんだか今からわくわくしてきました。


【浜野基彦】